107人が本棚に入れています
本棚に追加
/306ページ
海に垂らした糸が竿をしならせる。どうやら魚がかかった様だ。
魚は水中でもがき動き回る。魚が動く度に竿も揺れ動く。
竿の揺れのせいかゼッキは目を覚ます。
「おぉー」
ゼッキは魚がかかった事に気付き慌てて体を起こすと
そのまま暫く待ってから竿を勢いよく振り上げる。
魚が空を舞い岩の上に落ちてくる。中々の大物である。緑色の背に不釣り合いな牙がある50センチ程の魚が岩の上でビチビチと跳ね回る。
ゼッキは動き回る魚を難なく取り押さえ尾の部分を持ち上げ満足した笑顔である。
“今日の酒の肴も釣れたしそろそろ帰るかのぉ”
もう既に日が傾き始め間も無く夕方である。釣竿を担ぎ帰ろうと立ちあがり漸くデュラの置き手紙に気付いたゼッキは。
“一応心配でもしてるのかのぉ…色々聞きたい事もあるし顔だすかのぉ”
最初のコメントを投稿しよう!