闘技大会 準決勝

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エルグの答を聞き、ゼッキは視線を前方からエルグに移して更に問い掛ける。 「空間毎入れ替える……?…んじゃあつまり、人間界の何処かと、ここの結界の内側が入れ替わってるって事かのぉ?」 「そうですね。それで合ってると思います。詳しい原理とかは僕にも分からないので…」 「なるほどのぉ………話の邪魔して悪かったのぉ。」 ゼッキは、そう言うと、再び視線を前方に戻し腕を組む。 “結界の中に居る者は何も変化がなかった、と言う事は、本当に空間だけを動かす魔法の様じゃ。こういう場合以外での使い道が有るのか無いのか……本当に、人間族には感心するわい。わしらの世界じゃ誰も考え付かない様な事が多いからのぉ” ゼッキが思考に没頭していると、いつの間にか審判の男が入場していた。 ゼッキの位置から見ると、池の左側にフェン。右側にミリー。そして、池の奥側に審判といった立ち位置である。 審判の男は右手を挙げて宣言する。 「これより、準決勝!フェン・ロック対ミリー・ファルトの試合を行う!」 右手が一気に振り下ろされる。 「始め!」
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