闘技大会 準決勝

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現れたのは、高い一本下駄を履き、背中には、小さな鳥の様な翼を持っている。 人の形をしたそれは、状況を確認する為か周囲を見渡す。 その際に見えた横顔は、人間族とはかけ離れた長い鼻。前に突き出す様に伸びた鼻は、間違い無く10センチ以上はあるだろう。 「天狗族じゃのぉ……」 ゼッキの呟く様に言った一人言。しかしその言葉にエルグが食いつく。 「天狗族?ですか?……初めて見ました。……強いんですか?」 「そうじゃのぉ………その辺の魔獣よりは強いが……天狗族は特殊でのぉ、歳を取る程力を増す。じゃが、今現れた天狗は恐らく新米じゃ。…強さで言えばお主と嬢ちゃんで何とか勝てる位じゃ」 ゼッキの言葉にエルグとレイは驚いた表情に変わる。何故なら、学生の多くは魔獣と呼ばれる生き物を使い魔としている。そしてそれらは、エルグやレイの強さならば一対一で負ける事は無い。 それが、二人がかりで何とか勝てると言う事は強い使い魔に分類される。 勿論、普通の人間では手も足も出ない強さの魔獣も存在するが、一般的に使い魔として喚ばれる事はまず無い。 因みに、レイの使い魔である氷海竜はかなり強い分類である。
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