107人が本棚に入れています
本棚に追加
現れたのは、高い一本下駄を履き、背中には、小さな鳥の様な翼を持っている。
人の形をしたそれは、状況を確認する為か周囲を見渡す。
その際に見えた横顔は、人間族とはかけ離れた長い鼻。前に突き出す様に伸びた鼻は、間違い無く10センチ以上はあるだろう。
「天狗族じゃのぉ……」
ゼッキの呟く様に言った一人言。しかしその言葉にエルグが食いつく。
「天狗族?ですか?……初めて見ました。……強いんですか?」
「そうじゃのぉ………その辺の魔獣よりは強いが……天狗族は特殊でのぉ、歳を取る程力を増す。じゃが、今現れた天狗は恐らく新米じゃ。…強さで言えばお主と嬢ちゃんで何とか勝てる位じゃ」
ゼッキの言葉にエルグとレイは驚いた表情に変わる。何故なら、学生の多くは魔獣と呼ばれる生き物を使い魔としている。そしてそれらは、エルグやレイの強さならば一対一で負ける事は無い。
それが、二人がかりで何とか勝てると言う事は強い使い魔に分類される。
勿論、普通の人間では手も足も出ない強さの魔獣も存在するが、一般的に使い魔として喚ばれる事はまず無い。
因みに、レイの使い魔である氷海竜はかなり強い分類である。
最初のコメントを投稿しよう!