闘技大会 準決勝

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フェンの言葉を聞いたミリーは、睨み付ける様にフェンを見ると返答する。 「……端から見れば私の方が有利に見えるはずなのだが……そんな事を聞かれるとは思ってなかったな……まぁいい。それの答はノーだ。勝ちたいなら私を倒すんだな」 ミリーの言葉に観戦席から歓声が上がる。注目の準決勝が、一方の降参で終了する事を周りの者達は望んでいない様である。 しかしフェンは、ミリーの態度が納得いかないのか、更に問う。 「…おめぇは俺に勝てると思ってるのか?」 これにミリーは即答する。 「いや、私は勝てるなど全く思っていない。」 フェンは口を開こうとするが、それより先にミリーが言葉を続ける。 「だが……録に授業に出ていないお前を優勝させる訳にはいかないのでな。……見ている後輩達が、努力しても才ある者には敵わない。と言う考えを持ってしまったら努力しなくなってしまうだろ? だから私は…たとえ負けようとも、お前が決勝で、満足に力を出せぬ様に最善を尽くす。」
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