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「いちいち聞かないでやって見せたらどうだ?……本当に出来るなら、の話だがな…」
ミリーの言葉を聞き、額に青筋を浮かべるフェン。
そして、右手に集まるフェンの魔力。更に、次の瞬間、フェンは魔法を口にする。
「黒砲(こくほう)」
フェンの右手から黒い光線の様な物が出現し、真っ直ぐミリーに向かって迫る。
背を向けたまま、避けようとも防ごうともしないミリー。
フェンの放った魔法が寸前まで迫り、直撃と思われた瞬間、突如発生した風がミリーの身体を空中へと持ち上げる。
標的を失った魔法は、ミリーの居た場所を通りすぎ、そのまま直進すると、結界に当たり、真っ黒な爆発を起こして消える。
眉間に皺を寄せたフェンの視界の隅には、左手を上に掲げた天狗の姿が。
「おめぇの仕業か……」
フェンは天狗を睨みつけて呟く。
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