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背後から近付くナイフを、身体を捻って避けたフェンは、未だ空中に留まるミリーを睨み付ける。
ミリーは、フェンを見下ろしながら残り三本のナイフを同時に投げ下ろす。
三本のナイフは、最初に投げたナイフと同様に、何かに操られている様に飛び回る。変則的な動きをしながらフェンに近付くと、一本のナイフがフェンの足元に斬りかかる。
それを、軽く跳んで避けたフェンに、首を狙って次のナイフが迫る。これは、手刀でナイフの側面を叩き弾き飛ばす。
更に迫る、もう一本のナイフは、着地と同時に回し蹴りを当てて防ぐ。
だが、回し蹴りの最中、フェンは視界の隅で左手を強く振るう天狗を捉える。
これまでの天狗の戦い方から、風が発生する事が予想出来たフェンであったが、技の途中では対処が出来ない。
フェンが思った通り、背後から突風が押し寄せる。狙いは、片足しか地面に付いて無い足元。
避ける術も無いフェンは、突風に足を掬われ仰向けに転倒する。
倒れたフェンの眼前に一本のナイフが迫る。
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