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フェンを見失った天狗は、焦りながらも左側に気配を感じ取り視線を移動する。
しかし、天狗が左を向くと同時にフェンの右足が、がら空きの天狗の左腹部を蹴りあげる。
天狗の体は、派手に吹き飛ばされ、木にぶつかり地面に崩れ落ちる。
フェンは担いだままになっていたミリーを地面に下ろすと、首元に手刀を当てて低い声で告げる。
「俺の勝ちだ」
ミリーは、先程のダメージが抜けないのか、腹部を押さえながら、掠れた声で答える。
「あぁ………降参…する……」
一瞬の沈黙の後、審判が手を高く上げ宣言する。
「準決勝、勝者！フェン・ロック！」
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