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ゼッキと呼ばれた赤鬼は口元を緩ませ
「いや、大分体が訛っておるわ。背後に立たれるまで気付かなかったわい。我が友、龍人のデュラよ」
その返答を聞いた銀髪の男。デュラは嬉しそうに微笑むと剣をしまい岩の上に座り込む。
それを見て釣竿を左手に持ちゼッキも胡座で隣に座り込む。
「それにしても久しぶりじゃのぉ、10年位か?」
ゼッキは釣竿を見ながら問いかける
「いや、15年だな。俺が龍人国の王になって報告に来た時以来だからな。」
そう、このデュラという男は500年に一回龍人国で行われる王位決定戦で優勝し国王になった実力者である。龍人国で国王は強さと人格が求められる、ゆえに優勝したからといって必ずしも国王になれるとは限らない。優勝した後に30人の権力者で多数決を取るのである。これが龍人国から悪王がでない理由なのだ。
因みに各権力者も似たような方法で選出される。
「国王がこんな所で時間潰してていいのか?」
思った事をそのまま聞いてみる。
「最近は国も安定してるし他国が攻めてくる気配もないからな。…それに何よりゼッキの気がこんな近くに来たんだ、久しぶりに顔を見に来てもおかしく無かろう?」
銀髪の男…デュラは本当に再会が嬉しいようだ。
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