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龍人国
青い空、青い海。
大きな岩の上に魔方陣が浮き上がる。
光が強くなり赤い体が現れる。
“おぉー、ちゃんと帰って来れたわい。”
ゼッキは人間界からの帰り方が分からず小瓶を渡した女性に聞いたが知らなかった。
知ってる者が居ないか全員に問い掛けると、唯一いた初老の男性が教えてくれたのだ。
居た場所を思い浮かべて転移すれば帰れると。
普通に転移するのと大して変わらないな、等と考えながらとりあえずやってみたら帰って来れたのだ。
ゼッキは辺りを見回しデュラが居ない事に気付く。
「あの薄情もんめ、何が困ったら言えだ!」
そう一人呟いて岩に座り釣竿を握り糸を垂らす。
そこでふと今日は昼寝をしていない事に気付いたゼッキは釣竿を器用に足で押さえその場に横になる。
横になるとあっという間に睡魔が訪れうとうとと眠りについた。
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