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「ヒデちゃん……」
フッと耳に息がかかる。しな垂れかかる貴文が、俺のトランクスの中に手を突っ込んできた。
「や、やめろ! 何考えてんだ、あんた!」
「早くしないと、ミッチーが上がってきちゃう。ほら、もうこんなに硬くなってる」
人の息子を激しく擦って嬉しそうに言った。
「ねえ、抱いてよ。僕、ヒデちゃんのこと、すごいタイプ」
嘘だろ。絶対嘘だ。俺はからかわれている。駄目だ、駄目だぞ俺。騙されちゃ駄目だ。
「抱いてってば!」
突然激昂した貴文が俺を押し倒した。ギャッと悲鳴を上げた俺は後頭部をしたたかに打ちつけて、気を失った。
何か、獣の声だろうか。犬、じゃない、猫でもない。でもどちらかというと猫か。俺は猫派だから、そう聞こえるのかも。とにかく何かが鳴くというか吠える声がすぐ近くで聞こえている。
うるせえな、と言って目をこする。
「ヒデちゃんっ、すごい、おっきい!」
弾んだ声が、腹の上から聞こえてくる。
「あっ、はっ、あん、はん、あっ、あっ、イク、イキそう……!」
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