1話

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 目を疑った。俺の上で、人が跳ねている。一瞬、誰かわからなかった。見知らぬ他人が、俺の腹の上で跳ねている。ぎょっとしたが、思い出した。数分前に出会った兄貴の友人。じゃない、兄貴の。  恋人だ。 「う、うわぁーっ!」  絶叫した。兄貴の恋人が、何故か俺を咥えて入れたり出したりしているではないか。しかも、どうにかなりそうなくらい気持ちよかった。 「きて、きて、ヒデちゃん! 突き上げて、下からっ! きてー!」  自分のソレを握りながら腰を激しく上下させている。貴文と俺が繋がっている部分から、正体不明の液体がドロドロと溢れだしている。この液体と俺は無関係だ、と思いたかった。思いたかったが、俺がこいつに気持ちよくさせられ、そのせいで出した液体だと認めざるを得ない。馬鹿みたいに俺を出し入れする貴文が「きて!」と繰り返している。俺の手が勝手に、貴文の脚を固定していた。 「……畜生! この、ど変態のど淫乱野郎が!」  罵声を浴びせて腰を突き上げた。 「ああっ! あっは、すごい、もっと、ヒデちゃん!」 「こうか、こうかよ! 早くイけ、いっちまえ!」  闇雲に腰を突き上げる。貴文が涙を流して首を仰け反らした。先端から飛び出した精液が、パタパタと俺の腹に落下する。 「う、うああぁっ……!」  めちゃくちゃに締めつけられて、俺は貴文の中に、出していた。     
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