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「ヒデちゃんっていくつ? 高校生? 中学生?」
「高一だけど。そのヒデちゃんてのやめろよ」
「ヒデ、テメー、アイス食ったろ」
兄貴の声がした。アイスの棒を咥えながら「食って悪いか」と吐き捨てた。
「一本しかないの? いいよ、ミッチー。一緒に食べよ」
耳を疑った。一緒に食べよ? パピコみたいに二つに割れるアイスじゃない。カップのアイスでもない。普通のバニラの細長いアイスなんだけど。一緒に食べるってどういうことだ?
「エロいなあ、お前は」
「膝の上座らせて」
膝の上? 俺はとうとう耐え切れなくなった。恐る恐る振り返る。
貴文が、兄貴の膝の上に座っていた。唖然として見ていると、あろうことか一本の棒アイスを二人で仲良く舐め始めたではないか。
「あ、もう溶けてきた」
兄貴の手に、溶けたアイスが垂れている。貴文がそれを、なんとも言われないイヤラシイ表情で、ねっとりと舐め取った。
「すげ……、やらしー。股間疼くじゃん」
兄貴が笑って貴文の唇に吸いついた。
!?
あまりのことに、俺は声を失くした。兄貴と見知らぬ男のキスシーン。なんて恐ろしくておぞましいんだ。
「アイス溶けちゃうからあとでね」
貴文が大人びた笑顔で兄貴を牽制する。
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