2話

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2話

 高校に入ってすぐに、突然告白され、彼女ができた。二つ年上の、春奈という女だった。見たこともない女だった。でも春奈は可愛かった。小柄で顔も俺の好みだった。  俺がカッコイイから告白してきたんだと有頂天になったし、友達にもそう言ってよく自慢した。でも実際は違った。  春奈は兄貴の中学の頃のクラスメイトだった。そのせいか、よく兄貴のことが話題に上った。春奈がやたら兄貴の話題を口にするのだ。  中学のときからサッカーが上手くて努力家で。少し乱暴な態度も取るけどそんなに嫌な人じゃなかったの、教科書を忘れて、隣の席だった彼がそれに気づいて貸してくれたんだよ、と頬をピンクに染めて微笑んで語る春奈。高校が違うため、兄貴の現状を探ってくることもあった。彼女はできたのか、とか、部活は順調か、とか。  俺は徐々に気づき始めた。  この女は兄貴のことが好きだったのだ。そして今でも忘れられない。  むかついた。俺が兄貴の弟だから付き合おうと思ったのだ。逆の言い方をすれば兄貴の弟じゃなければ告白しなかった。     
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