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微妙に大切なこと
出会った時から二人は惹きつけ合った
惹きつけ合って
いつしか空気みたいになった
小指に縛っておけば
いつも近くでユラユラしている
そばにいてあたりまえの存在
まるで風船みたいに
二人は風船になって
空気みたいにダンスもした
周りの誰よりも上手くステップを踏めたし
踊りつかれて休むタイミングも
アウンの呼吸で分かり合えた
それからも風船は
あいかわらず近くでユラユラしていたけど
彼女は風船が
いつか遠くに飛んでいってしまうのが怖かった
彼は風船が
突然ぱんっと割れてしまうことを恐れていた
軽すぎず 重すぎず
二人が空気みたいになってからの
微妙に大切なこと
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