微妙に大切なこと

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

微妙に大切なこと

出会った時から二人は惹きつけ合った 惹きつけ合って  いつしか空気みたいになった 小指に縛っておけば  いつも近くでユラユラしている  そばにいてあたりまえの存在  まるで風船みたいに 二人は風船になって  空気みたいにダンスもした 周りの誰よりも上手くステップを踏めたし 踊りつかれて休むタイミングも  アウンの呼吸で分かり合えた それからも風船は  あいかわらず近くでユラユラしていたけど 彼女は風船が  いつか遠くに飛んでいってしまうのが怖かった 彼は風船が  突然ぱんっと割れてしまうことを恐れていた 軽すぎず 重すぎず 二人が空気みたいになってからの 微妙に大切なこと
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!