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1.概要
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
桜木みゆ、高校三年生。もうすぐ卒業を迎える。彼女だが、なぜか高校二年生の時の、あの一年記憶が思い出せないのだ。一年前の大切な、何かが…。
だが、彼女は、この踊り場に何かの記憶があった。
だから、何度も、あの踊り場に足を運ぶのだ。確かに、一年前に、この踊り場で何かをしていた。
それは、"喜ろこばしい事で、怒りを感じる事で、哀しい事で、楽しい事だった"
だが、それは、一体なんだっなのか?誰がそこにいたのか…?
そんな時、一人の男に出会う。
「何も思い出せないのは辛いよね。」
そんなセリフが聞こえ、ふと、後ろを振り向くと、そこに、見覚えがない男がいた。
彼は、"ビブリオ"と呼ばれている。
そして、今日から、"柏藍斗として生きていくんだ"と悲しそうに口にした。
会話していく中で男は、「お礼に一つ思い出させてあげる…。」と言って、藍斗は、私を後ろから、抱きしめ、自らの手で、私の目を隠した。
「さぁ…思い出してごらん…」そう言って、はじまるお話。
記憶の中から完全消去されたXと、大切な友人たちの楽しくて切なく残酷なお話。
ーさようなら、記憶が無い幸せな私ー。
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