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フィンクス邸、一階にあるダイニングルーム。
近頃、そこは活気ある一室となっている。
なぜなら、毎日のようにスピカの勉強会を開いているからだ。
ラジオ事件から一週間、スピカの家出はすっかりうららかな日和が続いていた。
「もうっ、すっごく気持ちよかったんだから。夜だから、みんなの明かりがキラキラしてて――って、聞いてる?」
スピカが眉間にしわを作って確認すると、
「ハイハイ」
と、フィンクスからは適当な空返事を寄越された。
「何よ。フィンクスは実際に見ていないから、この感動が伝わらないんだわ」
「いやいや、実際に一緒に見ていた俺だって、こんなには続かないね」
シルバーは、頬杖をついて呆れた。
あれから一週間も経っていると言うのに、日に三度も同じ話が飛び出すのだから、彼らもいい加減うんざりすると言うものだった。
「だって、本当にうれしかったんだもの」
と言うのが、スピカの言い分だ。
では、一体どんな話をしているのか?
それは、ラジオジャックで道士ミルに反撃をしかけた結末に繋がっている。
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