原案(あらすじ)

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原案(あらすじ)

目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。 本業である営業の仕事中。副業に精を出していたところ、ホノカは疲れてうたた寝していたらしい。 ホノカはネットワークビジネス「タイムプール」を副業としてやっており、新しく会ってくれる人を探そうと、インスタで無差別にDMを送っていたところだった。 「タイムプール」はまだできたばかりのMLMの会社で、「時間」を扱う権利を得られる、というビジネスだった。 「時間」を購入すると、購入日の深夜24時、いったん世界の時間が止まる。そして購入した時間分、好きなように過ごすことができるのだ。 と言っても、万引きをしたり人の家に侵入したり、犯罪を犯そうとすれば、すぐに「タイムポリス」に捕まり、一生投獄されてしまう。 あくまで、個人で楽しむために使う、というのが原則だ。 また、自分が紹介した会員が時間を買えば、購入金額の3%が自分に入る仕組みになっている。 タイムプールはボランティアの一環として、「時間」を売りたがっている貧困層から「時間」を高価買取している。 それが、貧困層の生活の底上げにもなっているという。 ホノカは「タイムプール」が社会にも貢献している素晴らしい会社だと信じていた。 しかしホノカのビジネスはその後もうまくいかず、自己発注による借金だけが増えていく。 そしてついに「タイムプール」から、ある提案をされる。 「あなたの時間を、売りませんか?」 ホノカはその時に初めて、「タイムプール」が本当は、自分のようにビジネスに熱を入れ過ぎて借金をした会員から時間を買い取っていたのだ、と知る。 会社への信用は一気に崩れ去ったが、どうすることもできず、ホノカは自分の時間を毎日少しずつ売り、自分の寿命を減らすことで、借金の返済にあてていく。 そしてついには、売れる時間もなくなり、ホノカは死を迎える。 ホノカ以外にも、「タイムプール」に登録した会員たちのそれぞれの生き方を追っていく。
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