ニッポンのオトシダマ

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 “Welcome to Japan. ようこそ、ニッポンへ!” 「…これがニッポン…。」 成田空港をおりたわたしの前に、現れたのは、 みょうに久しぶりに感じる、 おじさんの姿だった。  成田からハイウェイに乗り、ハチオウジというおばあちゃんの実家のあるマチへと向かう。 おばあちゃんは、向こうでは一回会ったことがあったが、ニッポンで会うのはもちろん初めてだ。 そして、おばあちゃんの家。 ダガシヤという、今ではめずらしくなった日本のお菓子の家。 とてもなつかしい、ふるさとのにおいであふれている。 コタツという、これまたなつかしいにおいのする、魔法の道具みたいなマシンに入って、ミカンというかんきつ類を食べたときに、 わたしは知らぬ間に、自然となみだをこぼしていた。
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