第二夜 小夜の呪縛

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翌朝。静寂を破るように、つんざくような悲鳴が屋敷中に木霊した。 まさか、何かあったのか! 思わず私は飛び起きると、ベットサイドのメガネを探した。 こういう時に限ってなかなか見つからない。 私はうんざりするような乱視の混じったド近眼なのだ。 ようやくメガネを見つけ、いざ行こうとしたが、さすがに寝具で外に出る訳にはいかない。 椅子の上にかけたカーディガンを羽織る。こういう時、女は本当に面倒だ。 ようやく私が悲鳴の方角に近づいた頃には、既に関係者全員が集まっていた。正二郎を除いて。 「何があったんです?」 私は誰にとも無く質問した。それに答えたのは業彦だった。彼も寝巻きに上着を羽織っただけの姿だった。 「まあ、見たまえよ」 彼は端正な顔を少し強張らせ、ゆっくりと「開かずの間」の中を指差した。 その指先に視線を移した途端、私の口から思わず小さな驚嘆の声が漏れた。 微かに外の日差しが差し込む室内には、正二郎が物言わぬ死体となって転がっていたのである……。 以下次号 次回予告 「今度こそ町子さん危機一髪!」
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