第二章

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 臨海は怪訝な顔をしていたけれど、納得したように頷き、手元の銃を適当に掴む。なぜそんなに飲み込みが早いのだろうか。また一人置いてけぼりを食らってぽかんとしていると、ルイが別の銃を臨海に差し出した。 「君は接近戦だからこっちだ。スナイパーライフルはマナちゃん」 「は? え、いや、無理だって」  急に長い銃を渡されて焦る俺に、ルイはいつも通り自信に満ちた調子で笑った。 「君はヒーラーなら、全体を見ることに慣れているだろう。僕はリーダーだから中距離。そしてリンカイ君はおとりだ。前線に立って敵を翻弄するんだよ」 「げえ。俺はおとりかよ」  二人が詳しく戦略を話しはじめても、俺はじっと両手の中の重い銃を見つめていた。 (こんなの、無理だ)  ふと学生時代が蘇った。その頃から俺は運動が得意じゃなかった。でも体育の時間休み続ける我の強さも持ってなくて、バスケやサッカーの度に、役に立たない俺は、チームメイトから責められることが少なくなかった。 ーー謝れよ ーーこいつ入ると負けるから嫌なんだよ  チーム戦が嫌で仕方なかった。ゲームでヒーラーを選んだのだって、本当は「自分のせいでチームが負けた」という責任を少しでも減らしたいからだろうと今になって気づく。  いつもやっているのはゲームで、それもスナイパーとヒーラーじゃ全然違う。二人ほど体も大きくないし、体力もないからきっと足を引っ張るに違いない。俺のせいで負けたら、二人はがっかりするかもしれない。きっと連れてきたことを後悔するだろう。一回考え出すと止まらず、この前のオフ会の時に感じた緊張感が蘇ってきて、どんどん気分が落ち込んでいく。  今すぐにでも帰りたくなっていると臨海が近寄ってきた。 「ん? なんだよ、やる前からビビってんなよ。とりあえず構えてみりゃ気分も違――」  実際に撃つように構えさせられ、そのまま臨海が手元のボタンをガチャガチャと適当にいじる。俺はどこを持ったらいいのか分からず指をどこかにかけると、そのトリガーを引いた。  カスン、と軽い音がしたと思ったら、目の前にいたルイがビクッとして、そのまま左腕を抑えて膝をつく。 「……撃たれた」 「え!!」
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