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あらすじ
あ、死んだ。
廃れた事務所ビルの屋外階段で目覚めたリコはそんな気がして目が覚める。
身に覚えの無い場所だが、そんな場所で目が覚めるという経験はリコにとって初めてではなかった。
「夢遊病じゃないの?」
友人にそう言われて以来、そっか、私は夢遊病なんだ。と納得しただけでなんとも無しにほったらかしにしていた。高校に入ってすぐの時から計6回。
今日を含めて7回目になる。
その日以降は二度と起こらなかった。
その日の夜、リコは夢を見る。自分が電車のホームで立っている夢。
しかし反対側のホームにも、同じように癖毛をいじる自分がいた。こちらに気付き、友人のように笑顔で手を振る。前に並んでいたサラリーマンが嫌そうな顔をしている。
三日後、それは正夢になる。リコが通学中に電車を待っていると、向かいのホームに四日前に着ていた服を着たリコが居た。
反対側にいるリコは、無邪気な笑顔で手を振った後、前にいる、いつも向かいのホームで見るサラリーマンを線路に突き飛ばした。
通過する電車にサラリーマンの体は地面に付く前に引き裂かれた。
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