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大人が万能だとは、とても思ってはいない。だが、そんな奴らに、俺は色んな物事の判断をいちいち任せてきたんだ。
自分でできることを探す。
掘り起こしてみれば、たくさんあるような気がした。
そういう理由があるのなら、隠れて行動するのも様になるじゃないか。
「…そいじゃ、今度は俺が逃げるから、捕まえてみろよ」
そうだった。鬼ごっこ、まだ続いてたんだ。俺が負けたから。
「よっしゃ!望むところだ!!」
もう、これからは失敗しない。絶対に。自分の思い通りにいかない時には、細工をしてでも渡りきってやる。
構えると、そいつは頷いた。
「お前、凄え良い顔してるぞ。さっきと全然違う」
当たり前だ。
本当に晴れ晴れした気持ちになっているんだから。
「絶対捕まえてやるぞぅ!」と叫び、俺は後ろを向いて10秒を数え始めた。
…陽は、まだ高々と昇っている。
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