第六章 アルミのパリュール

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「わかったわ。それでは、他の褒美を多めに取らせましょう。好きな物を言いなさい」  それを聞いて、ここで下手な遠慮をしたらまた失礼に当たると、デュークは欲しいものを率直に挙げていく。 「それでしたら、七色に輝くオパル、光で色の変わるガーネット、ラベンダー色の翡翠、それに、コンク貝のパールを頂戴いたしたいです」  王女は扇子を広げてにっこりと笑う。 「わかりました。パーティーが終わったら用意させましょう。ああそうそう、今回のパリュールの制作者としてパーティーで紹介するから、その時までここに滞在してちょうだい」 「え? あっ、はい、かしこまりました」  まさかパーティーに出席することになるとは思っていなかったので驚いたけれど、王女に恥はかかせられない。大人しく、しばらく滞在することにした。
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