第八章 華やかなパーティー

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 まず、畳んだ扇子で指したのはデューク。 「皆に紹介するわ。彼が私が今日着けているパリュールを作った職人。さあ名乗って」 「デュークと申します。この度はこの様な機会を恵んでくださり光栄です」  次に指したのはソンメルソ。 「彼が今日の食器と紅茶を用意した貿易商よ。さあ名乗って」 「ソンメルソと申します。本日はお招きいただきありがとうございます」  最後に指したのがセイエン。 「先程歌を披露した彼にも名乗って貰いましょう。どうぞ」 「セイエンと申します。本日はご指名ありがとうございます」  三人が名乗ると、皆の間から感嘆の声が漏れた。その様子を見ていた父王も、倚子から立ち上がって視線を送る人々に言う。 「今回はエレオノールに諸々の手配を任せたけれども、なかなかに良い人材を連れてきたようで私も安心した。成人に相応しいパーティーになったのではないだろうか。 さて、名残惜しいけれどもそろそろお開きの時間だ。今日は集まってくれてありがとう」  それがパーティー閉会の挨拶となり、父王に続き、王妃とエレオノール、その兄弟達が退場する。姿がすっかり見えなくなった後に、集まった貴族達もその部屋を出て行きはじめた。     
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