第二章 ジュエリー職人

3/3
前へ
/28ページ
次へ
 それを聞いて、デュークは思案を巡らせる。『何よりも高価な』宝石と金属。それはつまり、ダイヤモンドよりも、黄金よりも高価な物という事だろう。その条件に合う物を考えて、真っ先に思い浮かんだ物はこれだった。 「それでしたら、宝石はフェナカイトとレッドベリルを、地金はアルミニウムでいかがですか?」  フェナカイトとレッドベリルはダイヤモンド以上に流通量が少なく、アルミニウムは近年発見されたばかりで黄金よりも高価な金属だ。  デュークの提案に、エレオノールは満足げだ。提示した素材に合ったデザインをまとめ、この通りに制作をすると言うことで話は決まる。  王女はこの城に滞在して作業をして欲しいと言ったけれども、デュークは自宅に戻らないと工具も材料も無いので、それを辞退した。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加