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どうやら陶磁器はお気に召したようだ。それから、紅茶、砂糖、スパイスは香りだけ聞いてそのまま厨房に回すことになった。
最後に王女が手に取ったのは、インドから輸入された最高級の綿布。オリエンタルな柄が乗った布を、何人もの従者に広げさせ選んでいる。
「あんな陶磁器を選ぶだけあって、どの布も良い趣味の物ばかり。どれにしようか悩むわねぇ」
上機嫌なエレオノールをソンメルソが眺めていると、ふと、こんな事を言われた。
「私、あなたが気に入ったわ。
パーティーの時にみんなに紹介するから、それまでここに滞在しなさい」
突然の事に驚く。これから暫くの間王宮に滞在するとなると、貿易の仕事が滞ってしまう。けれども、王女の言葉を無碍にすることはできない。
「かしこまりました。お言葉に甘えて」
暫く仕事は父に代行して貰おうと、手紙を書くことにした。
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