出会い

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時間の流れを感じなくなってしまった。 ただただ、茫然と見つめ合う。 視線の先には、驚く程整った顔の持ち主。 夜景のせいか、お酒のせいか、このシチュエーションのせいか。 目の前の男性に釘付けになる。 「――あ、あの……」 端正なその顔に見つめられて、声が擦れる。 あまりにも整ったその顔に、思わず見惚れてしまった。 眉目秀麗って言葉がぴったりだ。 思わず目を泳がせた私を見ても、目の前の男性は何も言わずに私を見下ろしている。 真っ直ぐに私を見つめるその黒目がちな瞳に吸い込まれそうになる。 久しぶりに、こんなかっこいい人見た。 どこかのモデルとか芸能人の人かな。 起き上がる事もせずに、そんな事を考える。 何か言わなければと思うのに、声の出し方を忘れてしまった。 それでも――……。 「邪魔」 何の前触れもなく降ってきた言葉に、一瞬体が固まった。 無駄に瞬きを繰り返して、目の前の男性を見つめる。 え? 今何て言った? っていうか、この人が言った? 一気に思考が混乱して、体が石のように固まる。 そんな中、一切表情を変えずに私を見下ろす、どこか黒目がちな冷たい瞳。 そして、どこか忌々しそうにその瞳を歪めたと思った瞬間、再び声が聞こえた。 「邪魔なんだけど」 追い打ちをかける様に、先程より冷たく落とされた言葉。 その言葉の意味を理解して、あんぐりと口が開く。
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