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「あの、でも私……小坂さんとは結婚しなかったんですよ。その後も2人の男性とお付き合いして、それから今の主人と出会って結婚したんです。
それなのに、どうしてこんな家族が存在するんですか?」
「今いるこの世界は、その時優子さんが選ばなかった方(ほう)の人生です。
人は生きていく中で何度か岐路に立たされます。そのたびに意識的にしろ無意識にしろいずれかを選択しています。
実はその選ばなかった人生も同時進行で進んで行くんです。もちろんこちらは時空を越えた世界の中で……ですけどね。
小坂さんも現在は他の女性と結婚して幸せに暮らしています。小坂さん自身もこんな世界が存在するなんて知らないと思いますよ。
ですからここにいる2人は、実際には僕達が住んでいる現実の世界には存在しない人達なんです」
「存在しないって、そんな」(;゚Д゚)
目の前にいるこの人達は、現実の世界には存在しない人達?今、私の目の前には明らかに居るのに……。
優子の頭は混乱していたし、信じがたいことではあるけれど、それでも何となく星野の言っていることは理解が出来た。
「あの~、もう良いですか?」
女性が星野と優子の所に来て言った。
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