262人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
「レオー、控室に行く前に会場の広さとか確認しといた方がいいよ」
「あぁ」
会場の扉は講義室のものと変わりがなく、ここがコンクール会場だと言われなければ見過ごしてしまうほどだった。
ザックが扉を開け、そこから覗き見る。
うわ、狭いな……
大学構内のホールと言ってもある程度の大きさはあるだろうと思っていたのに、予想よりも遥かに狭い。少し高くなった舞台に一台ピアノが置かれ、壇上から下がってすぐに椅子が窮屈そうに並べられているが、その数は多くはなかった。
これなら、前回出場したコンクールの方がよっぽど会場が広く、設備も整っていた。
いや、たとえどんな環境にあっても、そこで自分が最高の演奏をすることこそが重要なんだ。
僕はこのコンクールで、必ず優勝してみせる……!
最初のコメントを投稿しよう!