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「おい、リオン。お前は何番目になったんだ」
シュテファンがリオンの手からくじを奪い取った。
「『60』って!!
お前、一番最後なのかよ。運がねぇーなぁ」
シュテファンは口では同情するようなことを言っているが、その表情は嬉しそうだった。
リオンは相変わらず無視を決め込み、フイと顔を逸らした。
シュテファンのように明らさまな態度は見せないものの、ここにいる誰もがリオンがラストに演奏をすると聞き、安堵した表情を浮かべていた。
たとえコンクールの外では友人であっても、今この場所には仲間なんていない。
ここにいる誰もが、自分のライバルなのだ。
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