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「レオってば、生まれたてのひよこが母親の後ろを歩いてるみたいなんだから。
ガキの子守りさせられて、シューイチが可哀想よぉ。
あたしみたいな大人が好みなんだから、シューイチは。ウフ……」
ミシェルに嫌味を言われても、そんなことはちっとも気にならなかった。
だいたい、あんなオカマ野郎の言うことにいちいち腹を立ててたら身がもたない。
僕は、シューイチの持っている全てをモノにしたいんだ。
彼ほど素晴らしいピアニストはいない。
彼を手本にして、何が悪いんだ。
モルテッソーニに『今はシューイチの真似でも勉強になることはあるかもしれんが、将来ピアニストとして大成したいなら、独自の演奏スタイルを確立するべきだ』と言われたのは……少しは、気になったけど。
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