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シューイチとの出会い
そんな中、いよいよシューイチがウィーンに来ることになった。
朝からそわそわして落ち着かない。
既に夏休みに入っているため、学校に行く必要がないので良かった。
入念にシャワーを浴び、髪を整え、慎重に服を選ぶ。恋人とのデートに向かう心境は、こんな感じなんだろうか。
憧れだったシューイチ・クルスと、これからひとつ屋根の下で暮らすことになるなんて……
いったい、どんな生活になるのか想像もつかなかった。
落ち着かないのは僕だけじゃない。
ザックも変なテンションになってて、いつも以上に喋り続けてるし、いつもはどっしりと構えているモルテッソーニすら、何度も窓から外の様子を伺っていた。
空港に迎えに行くと言ったにも関わらず、シューイチは自分で来るとフライトの時間さえ教えてくれなかったとモルテッソーニが愚痴っていた。
腰の重いモルテッソーニすら動かしてしまうシューイチに、驚きを隠せない。
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