コンクールに向けて

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コンクールに向けて

 シューイチは新たに追加公演が決定し、単独のリサイタルも開催される事になった。  雑誌やTVの取材の申し込みが入ったりと、一気にシューイチの周りは賑やかになった。  「シューイチ、日本にいた時はマネージャーをつけていたのだろう?   これほどスケジュールが埋まっていては、自分で管理するのは大変だ。マネージャーを雇った方がいい」  ディナーの席でそう提案したモルテッソーニに、僕はすかさず声を上げた。  「ぼ、僕がシューイチのマネージャーをやる!!」    モルテッソーニはハァと大きく息を吐いた。  「レオ、お前はピアノの練習に専念しろ。コンクールが迫っているのに、そんなことをする余裕がどこにあるんだ」  「ピアノの練習ももちろんやる!それに、シューイチのそばにいれば、ピアニストとしても学べるものがあると思うんだ」  モルテッソーニを必死に説得した。
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