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「貧乏は引っ込んどけよ!」
「そうだ、チョコも買えないクセに!」
「ひっ……引っ込まないもん……」
両手をグーにして気合いを入れていたのは良いが、彼女は強く言われると怖じ気づいてしまうと言う弱気なところがあり、形からしてダサいと思われる庇い方だったんだ。
急に涙目になって、どうしようとオロオロする。
「はぁ……行こうぜ。なんかヤル気なくなった」
その一言で、俺を笑っていた輩はゾロゾロと散って行った。無言でその場を去ろうとする俺。
「レキちゃん、大丈夫?」
「大丈夫だ」
俺は即答した。
振り向きもしなかったので分からないが、多分彼女は心配そうな顔をしているんだろう。
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