第1章 出会い

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 入口もガラス張りになっていて、扉を開けるとチリンチリンと音が鳴った。店の中は樹木や花が置いてあって、まるでジャングルか山の中にいるみたいだった。置いてあるものを見ていると奥のほうから、パタパタと音が聞こえた。 「お待たせしました。いらっしゃいませ」 とかわいい声で言われたので、俺は振り返って唖然とした。  体格は俺ぐらいの身長で黄色く、毛みたいなものが生えていた。手が4本で、薄そうな羽と尻尾もあった。顔は・・・・・・蜂そのものだった。 「どうしましたか?」 と言われたので、 「い、いえ。なんでもないです」 と答えた。とりあえず、店の中をウロウロして、コレを聞いてみた。 「あの、オススメはなんですか?」  俺は初めて行く店には必ず言っている言葉だ。そうすると彼女が、 「えっとですね、コレかなぁ」 と言って、レジカウンターの上に置いてある小瓶を持った。 「これは自家製なんですよ。店の裏で養蜂場があるんです」 「へー、・・・・・・って養蜂場?」 と俺は彼女に聞いた。 「ええ、少し小さいですが、ありますよ」 と彼女は答えた。俺はそうなんですかと適当に答えて、彼女が持っている小瓶に目を向けた。小瓶には値札と産地が書いてあった。産地には彼女が言った通り、「自家製」と書いてあった。値札は・・・・・・300円。普段買い物に行かない俺は、それが安いのかわからなかった。
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