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「そういえばさ、地球じゃそろそろバレンタインの時期だよね?こっちの世界にバレンタインみたいな風習ないの?」
「あー似たようなのはあるがよぉ…」
木の実を食べるのをやめて、苦い実でも噛んだのかというくらい、顔をしかめて頭を掻くレオン。
「どうした?」
「…いや、いい思い出無くてよぉ。」
「なんでさ?地球じゃ甘い物好きでいっつも大袋下げてウハウハしてたじゃん。」
「あっアレはいいんだよ!こっちじゃ、甘いもクソもねぇよ…。
郷の女どもに、殴られるし蹴られるし、挙句の果てには投げ飛ばされるしよぉ…あんなもん鉄サビ舐めてた方がまだましだぜぇ。」
握りこぶしを振るいながらの力説はどこえやら、肩を落としてうなだれてしまった。
「あ、あはは…それバレンタインって言えるの?」
チラリと横目で見てきたかと思ったら
「……バレンタインなんかクソくらえーーーーー!!!!」
叫びながら、走り去ってしまった。
「セリナちゃ~んどうしたのー?レオンくん、凄い速さで出ていっちゃったけどー?」
「あ、フィロさん!バレンタインって知ってます?その話してたら飛び出して行っちゃいました。」
あらーそうなのー?っと耳をピコピコしながら首を傾げる仕草は癒しそのものだ。
「確か、今日がそうだったんじゃないかしら~?」
「え!今日!?」
「知らなかったの~?」
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