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「知りませんでした…。」
朝からみんなそわそわしてるのにーって言われて初めて、ギルドの男性陣が落ち着きないことに気づき苦笑い。
「そうだ、フィロさん。バレンタインって好きな相手に、甘い物を送ったりしないんですか?」
「人族はそうみたいね~?種族によっても違うけど、私達獣族は甘い物はあげないわよー?」
「え、じゃあ何を?」
「うふふ~、それはねコーレ」
凄いハートが飛んでそうな言い方だけど、コレって示されたのは握りこぶし。
「拳…ですか?」
「正確にはちょっと違うんだけどー、貴方をこんなに好きです愛していますって攻撃してダメージの度合いで身をもって知って貰うのよ~?」
あ、ああ……だから、あんなに嫌そうだったんだ。
「だから毎年郷では、ボロボロになりながら幸せそうに笑う男性がいっぱいいたわねー。」
「え…やだ何そのカオス。もし避けたり、ガードしちゃったら…どうなるんですか?」
「男の恥として、後ろ指刺されることになるかも…しれないわねー?
ふふふ、でも郷から出れば甘い物を送る獣族も居るから~郷の中だけじゃないかなー?
レオン君も初めて郷の外に出てきたはずだから、外の風習に驚くんじゃないー?」
こ、怖い…むしろ泣いて喜びそうだけど…。
「…あ、フィロさん。甘味のオススメのお店有りますか?」
「いいとこあるけど~、どうするの~?」
「ナイショです。」
人差し指を唇にあてて、ニコッと笑ってみせた。
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