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【登場人物】
伊織美雪(22) 函館中央大学の4年生
小雪(22) 京都・輪違屋の太夫/美雪二役
土方歳三(35) 新撰組副長
安藤圭介(22) 美雪の彼氏
【プロット】
伊織美雪が物音で目覚めるとそこはアパートの屋外階段の踊り場だった。
彼女の理想のタイプは土方歳三。安藤圭介がその土方にちょっと似てた事から三ヶ月前付き合い出したのだがもう限界。彼のアパートで見張っていたらまたもや彼は部屋に女を!
二人で出てきた所を美雪は直撃し、彼を殴り、一本木関門跡へ向かった。
そして土方の石碑を抱くようにして泣き崩れた。
とその時、何と土方が関門から飛び出してきたのである!
丁度、一本木関門で新政府軍に最後の戦いを挑もうとしていた時だったらしく、土方は信じられない状況にパニック。
しかし美雪は彼が紛れもなく本物の土方だと確信すると興奮して歓喜乱舞した。
その美雪の笑顔を見て、土方は更に驚く。
美雪は、土方が嘗て愛した京都・輪違屋(わちがいや)の太夫、小雪に瓜二つだったからである。
土方は京都に置いてきた小雪を美雪に重ね、夜の函館をデートした。
そして、流れ星が異常に降り注いだその時、不思議な現象が二人を包んだ。
美雪の中に小雪の記憶が甦ったのである。
輪廻転生――そう、美雪は小雪の生まれ変わりだったのである。
そして土方と小雪は148年前の別れの日の前夜に戻る。
何と小雪は土方の子供を身ごもっていたのだ。しかし土方に京都を発ち北へ向かうと聞かされ、土方の為にそのことは告げなかったと言う。土方の忘れ形見があれば生きていけるからと。
ところが男の子を出産した後、小雪は産後の肥立ちが悪く死んでしまったらしい。
「貴方の子供は養子に出されました。その子が成長し、結婚して子を作り、今もトシさんと私の愛は子孫に紡がれて生きているのです」
美雪の中の小雪はそう告げると消えてしまった。
そして別れの時は近づいていた。
今戻れば死んでしまうと美雪が止めても、土方は歴史は変えられないと戦に戻っていく。
悲しみに暮れる美雪。しかし再び奇跡は起きた。
その年の土方の命日に、石碑の前で美雪は土方と瓜二つの青年に出会う。それは紛れもなく土方と小雪の子孫だった。そして彼は言った、「初めて会った気がしない…」と。
見つめ合う二人に、石碑の前の写真の土方が微かに微笑んだ。
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