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「こんなにひくつかせて、まだ足りないのか……?」
じっと見られると顔に熱が集まり、優奈は手で隠そうとするがその手にキスを落とされ制止させられた。
言われなくても自分の身体だから、彼に見られるだけでひくひくしてしまっているということが分かる。
羞恥に泣きそうになると仰ぎ見られ、わざとらしくそこにちゅっと吸い付かれてしまった。
「やあんっ」
ちゅく、くちゅ。
わずかに舌先をいれてきては入り口を舐めるだけで、小さな刺激しか与えられないと優奈はもどかしい思いで一杯になる。
――もっと、して欲しい。
奥に何かが足りない。深くまで触れて欲しい。
なのに淫裂をなぞり下から上に舐めるだけの瑞生に優奈は物足りなくて、腰を無意識に動かしてしまった。
「はっ、ううんっ、あ……っ」
ぎゅっと瑞生の肩を掴むと蜜を吸い上げられ、優奈は白い喉を反らし太股を震えさせる。
「んっ。濡れて酷いから舐めとってやっているだけなのに、きみは……」
すっと口を外す瞬間にまたキスをされ、優奈はふるるっと身体を震えさせた。
そして下着、ストッキングと服を元通りにされ、火照りを鎮められないままにテーブルから下ろされてしまう。
「あ……っ」
足に力が入らずよろけるときっちり抱きとめられ、いやらしい手つきで腰を撫でられた優奈は、先ほどまでの昂りがさっと冷め、乱れよがった自分の醜態にカタカタと唇を震わせた。
「……今きみに許可をとり抱いたとして。そのあとにきみはきっと、自分を嫌悪し傷ついてしまうだろう? だから、抱きはしない」
流されては駄目だと思えば思うほどにそれが背徳を生み、溺れさせようとしてくる。
スリルというものは、なによりも甘美で抗いがたいものだ。
だがそれを理性で抑えるのが人間だと優奈は考えており、だからこそ今回その理性を失い堕ちてしまいそうになった自分が信じられず、苦しくなってしまった。
「そんな顔しないでくれ。……悪いのは全部俺で、きみはなにも悪くないんだから」
「……っ、いいえ、違います。そうやって私を甘やかさないでください」
「甘やかしているつもりはない。きみは自分に厳しすぎるんだ、優奈。だから言いたいことも言えず、なんでも抑え込み甘え方を忘れて」
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