第8章

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僕は自ずから財布を取り出していた。 2枚、3枚、札を引く。 「これで――」 いらないと突き返されることを 心のどこかで期待してはいたが。 「いつもの3倍も出すんだ?」 予想に反することなく テヨンは指先にそいつを挟み込んで言った。 切れ長のズルい瞳に吸い込まれるように 「たくさん……して欲しいから……」 震える声で 僕はおそるおそる本音を漏らしていた。 「こんだけもらったら朝まで頑張らないとな?」 テヨンは可愛いちょんまげをほどいて はすっぱな顔で笑った。 掻き上げた前髪の束が 一筋二筋、色っぽい目元に流れて影を作る。 「明日……学校休んでもいいかな?」 「好きにしなよ、先生」 完全なダメ教師はその夜 カン・テヨンの前に完全に屈した。
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