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「カジャ」
韓国語で行くぞと言って
テヨンは僕に手を差し出した。
「あ……ああ」
彼が現れてから
時間にしてほんの数分の出来事だった。
「……こっ、このままで済むと思ってるのか!」
一瞬にしてすべてを台無しにされた谷は
未練たらしく僕の腕を引きながら怒声を上げた。
テヨンは怯まなかった。
怯むどころか
「どうしたら事が穏便に済むか――あんたが一番良く分かってるだろ?」
逆に脅しをかけるような口ぶりで
谷の前に立ち塞がって言った。
「あんたに食い物にされた連中、俺はいっぱい知ってる」
「なんだと?」
「上にばらされたくなきゃ今後一切――こいつには手出すな」
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