第8章

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テヨンは不甲斐ない僕の手を 今度は有無を言わさず掴んだ。 「カジャ――」 僕の上着を拾うと 全ての罪深いものから覆い隠すように しっかりと包み込んで歩き出す。 これ以上深追いはまずいと思ったか 谷は歯軋りしたままその場にとどまった。 その後どうやって学校から連れ出されたのか はっきりと覚えていない。 何もかもがショックでぼんやりして 気が付けば日も暮れた川沿いを 僕はあてもなく歩き続けていた。 「えっ……」 いつの間にか 隣にテヨンの姿はなく。 慌てて立ち止まると 僕の背中に躓くように一回り大きな影が重なった。
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