第8章

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「どれぐらい歩いてた?」 振り向けば ほんの少し困ったような顔で 「1時間……半くらい?」 「そんなに」 唇を尖らせてテヨンは頭を掻いた。 「ずっと後ろをついて来てくれたの?」 「ん、まあ……」 すっかり藍色に染まった空の下。 ようやく感覚を取り戻した身体は 今になって寒さと恐怖で震え出した。 「それじゃ1時間半分の時給払わないとな」 冗談のつもりが 笑えるどころか。 「タクヤ……?」 「いや、何でもない……」 まさか女みたいに 好きな男の前でポロポロ泣くなんて――。
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