第8章

16/28
前へ
/28ページ
次へ
馬鹿な真似。 確かにそうなのだけれど。 「……嫌だったんだ」 僕にだってひとつやふたつ ヤケを起こした言い分はある。 「何が?俺の仕事?」 「仕事は……否定できないよ」 18の高校生が――それも母国を離れて 親の援助もなく生活するのは僕が想像するよりはるかに過酷だろう。 「それじゃ何?」 「僕ら、2度寝たろ……」 「ん……ああ」 「土曜の朝も日曜の朝も――おまえすぐいなくなるから」 口に出してしまうと 自分がなんて小さな男なんだと思う。 「それが嫌だった?」 「起きてすぐ違う相手のとこ行くんだと思ったら……捨てられたみたいに惨めだったんだよ!」 バカか僕は――。 「もういいよ、忘れて」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加