第8章

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テヨンの腕に身を預けると 今日の事が嘘みたいに心の底からホッとした。 そのまましばらく短い眠りに落ちる。 次に目を開いた時。 結露の伝う冷たい窓に指先で テヨンはぼんやりとハングル文字を書いていた。 流れゆく夜の景色を眺める その眼差しは深く優しい。 「それは?」 僕が急に目を開けたものだから 「な、なんでもない……」 テヨンは驚いて照れたように頬を染めた。 「何て書いたの?」 それでもしかしたらこれは 僕に宛てた大切なメッセージかもしれないと。 滲んで見えなくなってゆく文字を 必死で読み取ろうと僕は目をしばたたく。
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