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テヨンの腕に身を預けると
今日の事が嘘みたいに心の底からホッとした。
そのまましばらく短い眠りに落ちる。
次に目を開いた時。
結露の伝う冷たい窓に指先で
テヨンはぼんやりとハングル文字を書いていた。
流れゆく夜の景色を眺める
その眼差しは深く優しい。
「それは?」
僕が急に目を開けたものだから
「な、なんでもない……」
テヨンは驚いて照れたように頬を染めた。
「何て書いたの?」
それでもしかしたらこれは
僕に宛てた大切なメッセージかもしれないと。
滲んで見えなくなってゆく文字を
必死で読み取ろうと僕は目をしばたたく。
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