第8章

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「大したことじゃないって……!」 慌てて文字を消そうとする テヨンの腕を素早く阻止して 「ワン……ジョン……ぺゴパ?」 見えてきた文字を 僕はゆっくりと読み上げる。 『めっちゃ腹減った』 愛の告白かもなんて 思った僕が馬鹿だった。 大仰に溜息を吐くと 「言っとくけど、勝手に期待したのそっちだからな」 「期待したって?僕が何を期待した?」 「それは……」 珍しくおどおどして言い淀む。 「ワンジョンペゴパ?小学生かよ」 「こ、子ども扱いするなよ!」 言い合ってる間に 「あ、ここで降ります!」 バスの停留所を通り過ぎるギリギリでテヨンが声を上げた。
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