第8章

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バスを下りるとテヨンは家のすぐ傍にある スーパーと呼ぶにはこじんまりした韓国食材店に向かった。 「あそこで買い物を」 「テヨナ!」 店の小母さんはテヨンの姿を見るや 満面の笑みでナムルやキムチや それこそ店にあるあれもこれも持たせようとする。 2人は韓国語で親しげに会話して 会計の時だけ少し離れて立っていた僕を呼んだ。 「韓国だと年上が奢るのが当然だから」 「もう慣れた」 財布を出しながら僕は肩をすくめて笑う。 「それに今日はもちろん奢らなくちゃ」 言いながら僕は分厚い肉の塊を指した。 「それも頂戴」 「そんなに?」 テヨンは目を丸くする。 「ワンジョンぺゴパ、なんでしょ?」
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