第8章

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「……切った」 茶碗と箸を置いて僕は頷いた。 「俺が言ったから?」 含み笑いで囁く。 その声に――今度は無言で頷いた。 視線の先。 前回どっぷりと犯されたベッドが 否が応にも目に飛び込んでくる。 テヨンも気づいているはずだ。 「ピアスを開けろと言ったら?」 「……うん」 「それじゃ、韓国のアイドルみたいに髪を真っ赤に染めろって言ったら?」 「……するかもしれない」 むしろ今となっては 何でも思い通りになると 思われたかった。 「お前に好かれるなら――」
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