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私たちの準備はあっという間に終わって、
兄が家から出て行ってから1時間後には、
私たちはしっかり手を繋ぎながら、ディズニーリゾートに向かう電車の中にいた。
最後にディズニーリゾートに行ったのは、いつだっただろう。
たしか、学生の頃。
誰と行ったんだっけ。
付き合っていた人だったとは思うけど、それからすぐに別れたんじゃなかったっけ。
もう思い出せないくらい、昔の記憶。
もうすぐ11月。
外はかなり寒いけれど、お天気は悪くない。
週末ということもあって、
パークの中は、すごい人でごった返していた。
「そっか、ハロウィンか……」
中に入るとすぐに、たくさんのオバケかぼちゃが、お出迎えしてくれていた。
家を出てから、ほとんど離れることのない私たち手。
お揃いの指輪。
達己の手は、温かくて、すごく安心できる。
繋いでいる手を何度も見て、その度に幸せを噛みしめる。
「よし、とりあえず、乗れるだけ乗るぞ!絶叫でも、平気だろ?」
「う、うん。たぶん」
私以上に楽しそうに、子供みたいにパーク内を動き回る達己。
ここにも、何度も来ているようで、かなり詳しい。
誰と来たのかちょっと気になるけど、今日は聞かないでおいた。
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